情シスの教科書

運用編・第7回

スマートフォン・持ち出し端末(MDM)

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ひとことで言うと

MDMは、モバイル・デバイス・マネジメントの略です。日本語で言うと、スマートフォンやタブレットの、遠隔管理です。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。公用のスマートフォンを、外出先で置き忘れた。どうすればいいですか、と電話が来る。

あるいは、現場確認用のタブレットを、職員に配りたい。でも、ゲームなどを勝手に入れられたら困る、と言われる。

どちらも、スマートフォンやタブレットを、遠くから管理する、MDMが関わっています。

一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。MDMは、モバイル・デバイス・マネジメントの略です。日本語で言うと、スマートフォンやタブレットの、遠隔管理です。

手元にない端末にも、設定を配り、アプリを制限し、紛失したときには、画面をロックしたり、中のデータを消したりできます。

地図のどこか

全体地図でいうと、MDMで管理するのは、庁舎の外にも持ち出す端末です。

第4回のドメイン参加は、庁内のネットワークにつながるパソコンの管理でした。MDMは、インターネット越しに、庁舎の外にいる端末も管理できる点が違います。

ただ、ほかの層とは通信しないマイナンバー利用事務系の端末は、MDMで外から管理する対象にはならないのが基本です。MDMの管理画面を、どの層とどうつなぐかは、団体によって違います。

MDMの仕組み

MDMの仕組みは、管理する側のサーバーと、端末の間で、命令をやり取りする形です。

端末は、最初に、MDMに登録されます。これをエンロールと言います。登録された端末は、サーバーから、設定や命令を受け取れます。

iPhoneやiPad、アンドロイド、ウィンドウズなど、主なOSには、MDMで管理するための仕組みが、標準で入っています。使う製品は、団体によって違います。

配れるものと制限

MDMで配れるものの例です。Wi-Fiの設定、メールの設定、証明書、そして、使えるアプリです。

制限の例は、カメラを使えなくする、アプリの追加を許可制にする、パスコードを必須にする、などです。

どこまで制限するかは、団体の方針と、その端末を何に使うかによります。厳しくしすぎると、使われなくなり、私物のスマートフォンに、仕事が流れることがあります。

アプリの配布と更新

MDMでは、アプリの配布と更新も、できます。業務に必要なアプリを、職員が自分で探さなくても、端末に入れておけます。

OSの更新が勝手に入ると、アプリが動かなくなることもあります。更新を少し遅らせる設定を、持つ製品もあります。

端末は、数年で入れ替えになります。OSのサポートが終わった端末は、更新が出なくなるので、台帳でも、見分けられるようにしておきます。

紛失したとき

紛失したとき、MDMでできることは、主に二つです。一つ目は、ロックと位置の確認です。アップルの機器では、監視対象と呼ばれる状態の端末で、紛失モードという機能を使えます。

二つ目は、リモートワイプ、つまり、遠隔でデータを消すことです。マイクロソフトのインテューンの説明では、ワイプは、端末を初期状態に戻し、データやアプリ、設定を消す操作、とされています。

消す操作は、慎重に判断します。消してしまうと、戻せません。まずロックして様子を見るのか、すぐ消すのか。その判断の手順を、決めておきます。

公用端末と私物

公用の端末と、私物の端末では、扱いが違います。公用端末は、端末ごと管理できます。

私物を業務に使う場合は、端末の全部ではなく、業務のデータだけを、管理や削除の対象にする形になります。

私物の端末を、業務に使わせるかどうか、使わせる場合のルールは、団体によって違います。ここは、情報セキュリティポリシーとあわせて、確かめてください。

回線の契約

公用のスマートフォンは、通信会社との契約も、一緒に管理します。回線の数、プラン、契約の名義、そして、請求を誰が見るか、です。

紛失したときは、通信会社に、回線を止める連絡も必要です。MDMの操作と、回線の停止は、別の手続きになります。

どちらも、連絡先を一枚にまとめておくと、慌てずに済みます。第10回の、連絡先の表にもつながります。

現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目。MDMを入れていれば、紛失しても安心、という誤解です。電源が切れていたり、通信できなかったりすると、命令は届きません。連絡が遅れれば、その間に、情報を見られるおそれもあります。

二つ目。MDMがあれば、職員が自分のスマートフォンを仕事に使っても守られる、という誤解です。MDMに登録していない端末は、管理の外です。

三つ目。制限は、厳しいほど安全、という誤解です。使いにくいと使われなくなり、管理の外の道具が増えます。

異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目。MDMの対象の端末の台数と、管理画面を見られる人です。台帳と合っているかも見ます。

二つ目。紛失したときの連絡先と手順です。職員が、まずどこに連絡するのか。夜間や休日はどうするのかも、確かめます。

三つ目。ロックするか、消すかを、誰が判断するか。そして、その判断を記録する場所です。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1MDMについて、正しい説明はどれですか。
問2公用スマートフォンを紛失したときの対応として、正しいものはどれですか。
問3「MDMを入れていれば、紛失しても必ず安心」という考えについて、正しい説明はどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。

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