運用編・第10回
障害が起きたときの初動
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
初動の目的は、原因を直すことよりも、影響の範囲をつかみ、決めた順に連絡し、記録を残すことです。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに
情シスには、こんな連絡が届きます。ネットワークにつながらない、と、電話が鳴り止まない。あるいは、窓口の端末が動かず、住民の方が待っている。
そのとき、何から確かめて、誰に連絡するのか。決まっていないと、全員が別々に動いてしまいます。今日は、障害が起きたときの初動をお話しします。
一言で言うと
先に、一言でまとめます。初動の目的は、原因を直すことよりも、影響の範囲をつかみ、決めた順に連絡し、記録を残すことです。
直すのは、その後です。慌てて再起動する前に、まず状況を確かめます。
地図のどこか
運用編でいうと、これまでの回で整えてきたものを、使う場面です。保守の窓口は第12回と第14回ともつながります。
ネットワーク編の三層は、切り分けの手がかりになります。マイナンバー利用事務系は、ほかの層とは通信しない専用の端末なので、ある層が止まっても、別の層は動いていることがあります。
どの層で、何が止まっているのか。これが分かると、原因の場所が絞れます。
最初の連絡の流れ
最初の連絡は、団体によって違います。一般的な例として、こんな流れが多いです。
受付で内容を記録する。影響が、どこまで広がっているかを確かめる。情報システム管理者や、上司に報告する。必要なら、保守の委託先に連絡する。
住民の方に影響が出るときは、窓口の担当部署や、広報の担当にも知らせます。誰が、誰に、どの順で連絡するかを、あらかじめ決めておくと、動きやすくなります。
切り分けの4つの場所
原因の場所を絞る、切り分けは、4つの場所に分けて考えると整理しやすくなります。端末、ネットワーク、サーバー、そして委託先や外部サービスです。
その端末だけなのか。同じ部署や、同じフロアの端末もなのか。庁舎全体なのか。範囲を聞くだけで、どこに原因があるかの見当がつきます。
同じ時間に、複数の部署から連絡が来たら、端末ではなく、ネットワークやサーバーの可能性が高くなります。LGWANやクラウドなど、外部のサービスの障害のこともあります。
住民への案内
住民の方に影響が出る場合は、窓口で、何と案内するかも決めておく必要があります。
一般的には、復旧の見込みが分からなくても、いま使えない手続きと、代わりの手段を伝えます。紙の様式で受け付ける、後日の来庁をお願いする、などです。
ホームページでの告知が必要な場合は、広報の担当と、早めに調整します。情シスだけで決めずに、窓口の部署と一緒に、あらかじめ話し合っておきます。
記録を残す
ガイドラインの例文では、システム障害の報告と、その処理結果や問題を、障害記録として残し、適正に保存することとされています。
解説には、過去に起きた似た障害が、対応を決めるときの参考になる、とあります。いつ、何が起き、誰が何をして、どう直ったか。短くても残しておくと、次に役立ちます。
障害とセキュリティ事案
もう一つ、注意があります。不正アクセスや、ランサムウェアが疑われるときは、ふつうの障害と同じ手順でよいとは限りません。
ネットワークから切り離すのか、電源を落とすのか、そのままにするのか。判断は、状況と、団体の緊急時対応計画によって変わります。
迷ったときは、手を動かす前に、情報セキュリティの責任者に相談する、という順番を、確認しておきます。
切り分けの質問の例
電話を受けたとき、聞くことは、あまり多くありません。一般的な例として、次のような質問が使われます。
いつから、起きているか。どの端末で、どの操作をしたときか。ほかの人や、ほかの部署でも起きているか。エラーの画面や、メッセージはあるか。
この4つを聞いて、メモに残すだけで、後から調べる材料になります。聞き方を、表にして電話のそばに置いている団体もあります。
連絡先の表
連絡先の表は、障害が起きてから探すと、間に合いません。委託先の窓口、夜間と休日の連絡先、契約の番号や、機器の型番まで、一か所にまとめておきます。
電話番号は、更新が漏れやすい情報です。異動の季節ごとに、見直す日を決めておくと、古い番号のまま残る事態を防げます。
庁舎が停電しているときは、電子ファイルの表が見られません。紙でも持っておく団体が多いです。
現場でよくある誤解
現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。原因が分かってから連絡する、という誤解です。原因が分からなくても、影響の範囲が分かった時点で、報告します。
二つ目。とりあえず再起動すれば直る、という誤解です。直ることもありますが、原因を調べるための記録が、消えてしまうことがあります。
三つ目。委託先に連絡すれば、あとは任せられる、という誤解です。委託先が直す間も、影響の把握と、住民の方への案内は、団体の仕事です。
異動してきたら最初に確かめること
では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。緊急の連絡網と、連絡先の表です。委託先の窓口、夜間と休日の連絡先、庁内の責任者が、一枚にまとまっているかを確かめます。
二つ目。障害のとき、誰に報告し、誰が判断するのかです。窓口の案内や、住民への告知を決める人も、確かめておきます。
三つ目。過去の障害記録です。どんな障害が、年に何回くらい起きているのかを見ると、自分の団体の弱いところが見えてきます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。