運用編・第13回
ログの保管
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
ログは、あとから、何があったのかを調べるための記録です。何を、何日分、どこに残し、誰が見るのか。この4つを決めておかないと、いざというときに、役に立ちません。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに
情シスには、こんな相談が届きます。不審なアクセスがなかったか、調べてほしい。でも、ログがいつ分まで残っているのか、分かりません。
あるいは、ディスクがいっぱいになって、古いログから自動で消えていた。今日は、ログの保管についてお話しします。
一言で言うと
先に、一言でまとめます。ログは、あとから、何があったのかを調べるための記録です。
何を、何日分、どこに残し、誰が見るのか。この4つを決めておかないと、いざというときに、役に立ちません。
地図のどこか
運用編でいうと、ここまでの回の仕組みが、それぞれ記録している情報の話です。ID、ファイアウォール、無線LAN、保守の作業と、すべてにログがあります。
三層でいうと、ログは、層ごとの機器の中に残ることが多いです。マイナンバー利用事務系のログは、ほかの層とは通信しないので、その層の中で確認する形が基本になります。
セキュリティ編のEDRやSIEMは、ログを集めて見る仕組みでした。今日は、その土台になる、ふだんの保管です。
何のログを残すのか
ガイドラインの解説は、ログとして、アクセスログ、システムの稼働ログ、障害のときのシステム出力ログ、そして障害の対応記録を挙げています。
具体的には、パソコンにログインした記録、ファイルサーバーの操作、ファイアウォールの通信記録、メールの記録、外から入る通り道の記録などがあります。
クラウドサービスの場合は、取得できるログの内容と期間が、サービスごとに違います。自分たちが必要な期間、保管できるのかを確かめます。
何日分残すのか
ガイドラインの解説では、ログは、1年以上保管することが望ましい、とされています。
ただし、システムが守るべき法令などで、保管の期間が決まっている場合もあるので、関係する法令を確かめた上で決めることとされています。
また、保管の期限が切れたログは、確実に消去する必要がある、とも書かれています。残すだけでなく、消す日も決めておきます。
容量と、保管場所
期間を決めたら、容量を計算します。ログは、毎日増え続けます。1年分となると、思った以上に大きくなる機器もあります。
機器の中だけに置くと、容量がいっぱいになったとき、古いものから上書きされることがあります。別の場所に集めて、保管する団体もあります。
ガイドラインの解説も、ログが、改ざんや消失をされないように、適正に保存することを求めています。
誰が見るのか
ログは、残しておくだけでは、役に立ちません。ガイドラインの例文では、取得したログを、定期的に点検または分析する機能を設けることとされています。
誰が、どれくらいの頻度で、何を見るのか。異常を見つけたら、誰に伝えるのか。ここまで決めて、はじめて、運用になります。
夜間や休日に、誰が気づくのか。セキュリティ編の第7回でもお話しした、アラートの話と、つながります。
時刻とのつながり
ログには、時刻が書かれています。その時刻がずれていると、調べるときに困ります。
ガイドラインの解説は、サーバーの間で時刻の記録に矛盾があると、ログの分析が難しくなり、証拠としての正確さも保てなくなる、と説明しています。
運用編の第3回で、タイムサーバーの話をしました。時刻を合わせることは、ログを残すことの前提です。
複数の機器のログを並べて読むときは、時刻がずれていると、出来事の順番が入れ替わって見えます。原因を読み違える元になるので、時刻は、ふだんから確かめておきます。
ログを使う場面
ログは、どんな場面で使うのでしょうか。一つ目は、障害のとき。いつから何が起きたかを、時間順にたどります。
二つ目は、委託先の作業の確認です。約束した時間に、約束した作業だけが行われたかを、あとから確かめます。
三つ目は、不正の疑いのときです。誰が、いつ、どのファイルに触ったか。ここでは、ログが残っているかどうかが、調査できるかどうかを分けます。
操作の記録を扱うとき
ログには、職員一人ひとりの操作が、記録されます。そのため、何のために取り、誰が見るのかを、あらかじめ決めて、職員に知らせておくことが大切です。
目的以外で、勝手に見ない。見るときは、記録を残す。こうした決まりは、団体ごとに違います。
自分の団体で、どんな決まりになっているかは、情報セキュリティポリシーの実施手順で確かめます。
現場でよくある誤解
現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。ログは、取っていれば十分、という誤解です。見る人がいなければ、問題があっても、気づけません。
二つ目。機器の中に残っているから大丈夫、という誤解です。容量がいっぱいになると、古いものから消えます。機器が壊れれば、ログも一緒に失われます。
三つ目。ログは、情シスだけが見るもの、という誤解です。委託先との切り分けや、監査、庁内の調査でも使います。誰に見せるかのルールが必要です。
異動してきたら最初に確かめること
では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。どの機器のログを、何日分、どこに残しているかの一覧です。決まっていなければ、機器ごとに、いま実際に残っている日数を確認します。
二つ目。ログを見る人と、見る頻度です。見る人が決まっていなければ、誰が担当するのかを、上司と相談します。
三つ目。ログの時刻が、タイムサーバーと合っているかです。ずれていないかを、機器をいくつか選んで見比べます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。