運用編・第2回
無線LAN
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
無線LANは、電波でつなぐ、庁内ネットワークの出入口です。ケーブルと違って、庁舎の外にも電波が届きます。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに
情シスには、こんな相談が届きます。会議室でWi-Fiがつながらない。あるいは、つながるけれど、すぐ切れる、と言われる。
もう一つ。来庁者や委託先の人に、Wi-Fiを使わせたい。庁内のWi-Fiのパスワードを、教えていいですか、と聞かれる。
どちらも、庁舎の無線LANが、どう分かれているのかを知らないと、答えられません。今日は、無線LANをお話しします。
一言で言うと
先に、一言でまとめておきます。無線LANは、電波でつなぐ、庁内ネットワークの出入口です。ケーブルと違って、庁舎の外にも電波が届きます。
だから、誰を、どのネットワークにつなぐのかを分けることと、つなぐ人をどう確かめるのかが、運用の中心になります。
なお、Wi-Fiは、無線LANの規格の名前です。この動画では、ほぼ同じ意味で使います。
地図のどこか
全体地図でいうと、無線LANは、庁内のどの層につなぐのかが、大事なところです。
一般的な例では、職員用の無線LANは、インターネット接続系やLGWAN接続系の端末が使い、来庁者用は、庁内とは別の、インターネットだけにつながる回線を使います。団体によって違います。
マイナンバー利用事務系は、ほかの層とは通信しない、専用の端末です。無線LANをどう扱うかは、団体のルールによって違うので、必ず確かめてください。
アクセスポイントとSSID
無線LANの基本の部品は、アクセスポイントです。天井や壁に付いている、電波を出す機器で、略して、APと呼ばれます。
APは、ケーブルでスイッチにつながっています。つまり、無線は、第1回でお話しした、スイッチの先にある、もう一つの口です。
APが出す電波には、名前が付いています。これがSSIDです。一つのAPから複数のSSIDを出して、SSIDごとに、つなぐ先のVLANを変えることができます。
職員用と来庁者用の分け方
職員用と来庁者用は、SSIDを分けるだけでなく、つなぐ先のネットワークも分けるのが、基本の考え方です。
総務省は、Wi-Fiを提供する側に向けて、「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き」を公開しています。提供するときのリスクと対策を、確かめるための資料です。
来庁者用の電波が、庁内のネットワークにつながっていると、外の人の端末から、庁内の機器が見えてしまうおそれがあります。だから、来庁者用は、庁内と切り離して、インターネットへの出口だけにつなぐ形が、多いです。
認証の方式
無線LANに、誰がつなげるのかを決める方式が、認証です。大きく二つあります。
一つ目は、みんなで同じパスワードを使う方式です。設定は簡単ですが、パスワードが漏れると、誰でもつなげます。職員が退職しても、パスワードは変わりません。
二つ目は、IEEE 802.1Xという方式です。ユーザーごとのIDや、端末に入れた証明書で確かめます。裏で認証サーバーが動き、RADIUSという仕組みが、よく使われます。
セキュリティ編の第3回でお話しした、ADや証明書と、つながる部分です。どちらを使うかは、団体によって違います。
運用で困ること
運用で困るのは、電波の問題です。壁や什器で電波が弱くなる、近くのAPと電波が干渉する、同じAPに端末が集中しすぎる、などがあります。
会議室やセミナー室など、人が集まる場所は、特に起こりやすいです。APの位置や台数を、あとから見直すことも、よくあります。
もう一つ。誰かが勝手に持ち込んだルーターが、電波を出していることがあります。庁内につないだ未許可の機器は、気づきにくいので、定期的な点検が要ります。
来庁者用Wi-Fiの運用
来庁者用のWi-Fiは、使える時間や、使える通信を、制限する団体もあります。たとえば、接続時間の上限や、見られないサイトの制限などです。
また、誰が使ったのかを、あとで追えるように、利用の記録を残す団体もあります。どこまで記録するかは、団体の方針によって違います。
避難所などで、災害時に無線LANを開放する場合の考え方も、事前に決めておく必要があります。防災の担当課と、一緒に確かめておくと安心です。
現場でよくある誤解
現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。パスワードがあるから、Wi-Fiは安全、という誤解です。共有のパスワードは、知っている人が増えるほど、守れなくなります。
二つ目。来庁者用は、別のSSIDだから、分かれている、という誤解です。名前が違うだけで、つなぐ先が同じなら、分かれていません。
三つ目。職員用の電波は、庁舎の中にしか届かない、という誤解です。電波は庁舎の外にも漏れます。だから、認証が大事です。
異動してきたら最初に確かめること
では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。SSIDの一覧です。どのSSIDが、どのネットワークにつながっているのか。来庁者用が、庁内と切り離されているかを確かめます。
二つ目。認証の方式と、パスワードや証明書の管理です。退職や異動のときに、どう止めるのかも確認します。これは第8回につながります。
三つ目。APの管理画面と、管理者のアカウントです。誰が見られて、誰が設定を変えられるかを確かめます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。