ネットワーク編・第2回
支所との通信
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
支所との通信は、本庁と支所を、通信事業者が用意した、専用の道でつないでいる、という話です。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに
情シスには、こんな依頼が届きます。民間のビルに、分室を作ることになった。
公民館に、職員の端末を置きたい。回線の契約が、もうすぐ切れる。
どれも、本庁と、支所や出先の施設を、どうつなぐか、という話です。私も最初は、何をどう確かめればいいのか、分かりませんでした。
今日は、本庁と支所をつなぐ通信の話です。
一言で言うと
先に、一言でまとめておきます。支所との通信は、本庁と支所を、通信事業者が用意した、専用の道でつないでいる、という話です。
そして、その道が止まると、支所では、ほとんどの仕事ができなくなります。だから、どんな道で、何本あるのかを、知っておく必要があります。
地図のどこか
第0回の全体地図でいうと、今日は、左側の、支所や出先と、本庁を結ぶ線の話です。
支所は、本庁と同じ3つの層を使います。ただし、支所の中に、住民記録や財務会計のシステムが、丸ごとあるわけではありません。
システムは、本庁側にあります。支所の端末は、回線を通って、本庁のシステムを使っています。
本庁と支所をつなぐ回線
では、その回線には、どんな種類があるのか。多くの自治体では、大きく3つのどれかです。
一つ目は、インターネットVPN。インターネットの回線を使いますが、中身を暗号化して、外から見えないようにして送ります。公道を走る荷物を、鍵のかかった箱に入れて運ぶイメージです。
二つ目は、IP-VPN。通信事業者が持っている、インターネットとは別の、閉じた網を使います。閉域網と呼ばれるものです。
三つ目は、広域イーサネット。これも閉域網ですが、離れた場所の機器を、同じ建物の中のようにつなぎます。IP-VPNより、機器の設定の自由度が高いと言われます。
閉域網は、貸し切りのレーンのようなものです。インターネットの混雑や、外からの攻撃を受けにくく、通信の品質が安定しやすい。そのかわり、費用は高くなりがちです。
どれを使っているかは、自治体ごとに違います。本庁と支所で、種類が違うこともあります。契約書か、構成図で、確かめましょう。
支所からも、本庁を通って外へ
支所の端末が、ホームページを見るときの道も、見ておきましょう。
支所の端末は、いったん、回線で本庁に入ります。そこで、3つの層に振り分けられて、LGWANやインターネットへ出ていきます。支所から直接、インターネットに出るのではありません。
だから、支所でホームページが見えない、メールが届かない、というときは、支所の機器だけでなく、本庁側の出口も、疑う必要があります。
ただし、これは基本の形です。クラウドの利用が進んで、支所から直接、出ていく構成を取る自治体もあります。自分の団体がどちらなのかは、確かめてください。
回線の冗長化
支所の回線が止まると困るので、回線を2本にしている自治体もあります。これを、冗長化と言います。1本が切れても、もう1本で通信を続けるための備えです。
ただし、2本あれば安心、とは限りません。同じ通信事業者の、同じ地下の管を通っている2本は、工事や災害で、同時に切れるおそれがあります。
だから、確かめたいのは、2本の道が、別々の経路か、別々の事業者か、という点です。
また、2本目が、普段は使われない待機用だと、いざ切り替えたときに、動かないことがあります。切り替えの試験をしているかも、聞いてみましょう。
すべての支所が、2本あるわけではありません。小さい出先の施設は、1本だけのことも多いです。どこが1本なのかを、把握しておきましょう。
止まったとき、誰に連絡するか
支所や出先で、通信が止まったとき。まず、原因が、どこにあるのかを分けます。
回線そのものが止まっているのか。支所に置かれた、ルーターなどの機器が止まっているのか。本庁側が止まっているのか。
支所の機器は、停電で止まることがあります。電源が落ちているだけなら、復旧は早いです。現地の職員に、機器のランプや電源を、見てもらいましょう。
回線が原因なら、通信事業者への連絡になります。機器の保守は、別の委託先、ということもあります。連絡先が違うので、誰に連絡するのかを、先に整理しておきます。
もう一つ、忘れがちなのが、工事です。建物の電気工事や、道路工事で、回線が止まることがあります。情シスに知らされないまま、工事が入ることもあるので、施設の担当課との連絡の道を、作っておくと安心です。
現場でよくある誤解
現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。支所は、本庁と同じネットワークだから、同じ速さで使える、という誤解。実際には、回線の太さが決まっていて、多くの職員が同時に使うと、遅くなります。
二つ目。回線を新しくすれば、支所の通信は速くなる、という誤解。
遅さの原因が、本庁側の出口や、システムの側にあることもあります。どこが遅いのか、まず切り分けましょう。
三つ目。出先の施設は、端末を置けば、すぐに使える、という誤解。
回線の工事と、機器の設定には、時間がかかります。依頼が来たら、まず、日数を確かめてください。
契約の更新時期も、大事です。更新のたびに、回線の種類や、太さを見直す機会があります。いつ切れる契約なのかは、早めに把握しておきたいところです。
異動してきたら最初に確かめること
では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。本庁と、支所や出先の一覧です。
どこが、どんな回線で、何本でつながっているか。1枚の表にしてみてください。
二つ目。契約書です。回線の契約先、契約の終わる時期、そして、障害のときの連絡先と対応時間を確かめます。
三つ目。機器の保守の委託先です。
回線の事業者とは別のことがあります。止まったときに、誰に電話するのかを、一覧にしておきます。
そして四つ目。支所の機器が、停電のときにどうなるのかです。バッテリーがあるのかも、聞いておくと、いざというときに役立ちます。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。