インターネットサービス編・第3回
ISMAPの代表的なSaaS
この動画は、順次公開します
ひとことで言うと
今日紹介する8つのサービスは、どれも、政府のクラウドの評価制度、ISMAPのクラウドサービスリストに登録されています。
異動してきたら、最初に確かめること
チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。
解説(テキスト版)
はじめに
情シスには、こんな相談が届きます。ほかの自治体がキントーンを使っているので、うちでも使いたい。メールやワープロを、マイクロソフト365に移す話が出ている。
外の人と、ボックスでファイルを共有したい。スラックで、外部の団体とやり取りしたい。
名前は聞くけれど、それぞれ何が得意なのか。今日は、ISMAPに登録されている、代表的なSaaSを、まとめて紹介します。
一言で言うと
先に、一言でまとめておきます。今日紹介する8つのサービスは、どれも、政府のクラウドの評価制度、ISMAPのクラウドサービスリストに登録されています。
得意なことで分けると、4つのグループになります。業務の仕組みを作るもの。情報をまとめて、ためるもの。仕事の道具一式。そして、チャットです。
キントーン
まず、業務の仕組みを作るグループです。この3つは、いまでは、できることがかなり重なっています。ですから、製品の違いより、どこから生まれたサービスなのかを知っておくと、それぞれの得意なことが見えてきます。
一つ目は、サイボウズのキントーンです。生まれは、社内の情報共有のための、グループウェアの会社です。現場の職員が、プログラムを書かずに、業務のアプリを作れるのが特徴です。
申請の受付や、台帳の管理など、紙やエクセルで回していた仕事を、アプリにできます。作りやすい分、作る人と、管理する人を決めておくことが大事です。
セールスフォース
二つ目は、セールスフォースです。生まれは、お客さまとのやり取りを管理する、顧客管理の仕組みです。
ですから、一人ひとりの相手と、その相手とのやり取りの記録を、中心に置いて考えるのが得意です。自治体では、住民からの相談や、問い合わせの管理などに使われる例があります。
このあと紹介するスラックも、いまはセールスフォースのグループのサービスです。
サービスナウ
三つ目は、サービスナウです。生まれは、ITの運用です。システムの障害や、社内からの依頼を受け付けて、誰が対応して、どこまで進んだかを管理する仕組みです。
そこから広がって、いまでは、外の人からの問い合わせを受ける、CSMという仕組みもあります。生まれが依頼の管理なので、仕事の流れを決めて回すワークフローと、ほかのシステムとの連携が、特に得意です。
その一方で、できることが多い分、使いこなすのは難しいサービスです。設計や設定には、専門の知識を持った人が必要になります。
3つの違いと、藤沢市での選び方
ここで、キントーン、セールスフォース、サービスナウの違いを、私の経験から整理しておきます。
私がいた藤沢市で、住民の方が使うポータルの基盤を考えたとき、キントーンでは、物足りませんでした。市民ポータルのプラットフォームとしての、汎用的な部品がなかったんです。
たとえば、セールスフォースには、住民など外の人に向けたポータルを作る、エクスペリエンスクラウドがあります。サービスナウにも、CSMがあります。キントーンそのものには、こうした部品はありません。
そこで藤沢市では、セールスフォースや、サービスナウを、市民ポータルの基盤として選びました。
一方で、キントーンは、市民開発に、いちばん向いていると思います。市民開発とは、ITの専門家ではない職員が、自分で、業務のアプリを作ることです。
全庁の基盤には、セールスフォースやサービスナウ。現場の小さな業務の改善には、キントーン。目的で使い分けるのが、大事だと思います。
ノーション
次は、情報をまとめて、ためるグループです。一つ目は、ノーションです。
ページとデータベースを組み合わせて、文書や、手順書、ノウハウを、一か所にまとめられます。
ノーションは、2026年10月に、ISMAPに登録されました。AIの機能も、登録の対象に含まれています。
ボックス
二つ目は、ボックスです。ファイルを保存して、共有するためのサービスです。
容量をあまり気にせずに保存でき、誰に、どこまで見せるかを、細かく決めて、外部の人とも共有できます。メールにファイルを付ける代わりに、共有のリンクを送る使い方ができます。
さらに、ファイルに関わる仕事の流れに強いのが特徴です。ファイルが置かれたら、確認や承認に回す、といったワークフローを作れます。
もう一つは、データのライフサイクル、つまり、ファイルを作ってから消すまでの管理です。ファイルの版を残し、保存する期間を決めて、期間が過ぎたら消す、といった扱いを決まりとして設定できます。使える機能は、契約のプランによって違います。
グーグルワークスペース
次は、仕事の道具一式のグループです。一つ目は、グーグルワークスペースです。
メールのジーメール、文書や表計算のドキュメントとスプレッドシート、会議のミートなどが、まとまっています。
ブラウザだけで使えて、同じ文書を、何人もで同時に編集できるのが特徴です。
マイクロソフト365
二つ目は、マイクロソフト365です。メールのアウトルック、ワード、エクセル、そして会議やチャットのチームズなどが、まとまっています。
いま庁内で使っている、ワードやエクセルの流れを、クラウドの形で使えるのが強みです。
自治体でも、導入を進める団体が出てきています。ファイルの置き場所や、チームズの使い方のルールを、あわせて決めることになります。
スラック
最後は、チャットのスラックです。話題ごとに、チャンネルという部屋を作って、やり取りします。
ほかの組織の人と、同じチャンネルでやり取りできる機能もあります。
自治体では、ロゴチャットや、チームズのチャットと、どう使い分けるかを、決めておく必要があります。
選ぶときの考え方
では、どう選べばいいのか。ISMAPに登録されていることは、入口の確認です。それに加えて、3つのことを考えます。
一つ目。どの層の端末から使うか。インターネット接続系から使うのか、LGWAN接続系から、クラウドにつなぐ仕組みを通して使うのか。
二つ目。どんな情報を入れるのか。個人情報を入れるなら、なおさら慎重に。導入のときに決めることは、次回お話しします。
三つ目。ほかのサービスと、役割が重なっていないかです。ファイルの置き場所が、ボックスと、マイクロソフト365と、グーグルに散らばると、どこに何があるか分からなくなります。
現場でよくある誤解
現場でよくある誤解を、3つ挙げます。
一つ目。ISMAPに登録されているから、どんな使い方でも安全、という誤解。使い方の安全は、自分たちで決めることです。
二つ目。登録されているのは、そのサービスのすべてだ、という誤解。登録の対象は、決まったサービスや範囲です。使う機能が対象に入っているかを、確かめてください。
三つ目。便利だから、全部入れればいい、という誤解。サービスが増えるほど、アカウントの管理も、情報の置き場所も、増えていきます。
異動してきたら最初に確かめること
では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。
一つ目。庁内で使っているSaaSと、その契約の種類です。どのプランで、何人分か。
二つ目。どの情報を、どのサービスに置くのか、というルールがあるかです。
三つ目。それぞれの管理者と、アカウントを止める手順です。
理解度テスト
3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。
結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。