情シスの教科書

セキュリティ編・第5回

SWGとローカルブレイクアウト

この動画は、順次公開します

公開準備中

ひとことで言うと

SWGは、インターネットを見るときに通る、クラウド型の検問所です。ローカルブレイクアウトは、必要な通信だけを、直接クラウドへ出す出方です。

異動してきたら、最初に確かめること

チェックは、このスマートフォンのブラウザに保存されます。

解説(テキスト版)

はじめに

情シスには、こんな相談が届きます。オンライン会議が重くて、途切れる。画面転送のせいですか、と聞かれる。

あるいは、このサイトが見られない。誰が止めているんですか、と問い合わせが来る。

どちらも、インターネットへの出方と、その途中にある検問所の話です。今日は、SWGと、ローカルブレイクアウトをお話しします。

一言で言うと

先に、一言でまとめておきます。SWGは、インターネットを見るときに通る、クラウド型の検問所です。ローカルブレイクアウトは、必要な通信だけを、直接クラウドへ出す出方です。

どちらも、庁舎を経由して、全部を一か所から出す、これまでの出方を見直す話です。

地図のどこか

5つの問いでいうと、三つ目の、どこを通るのか、の続きです。第4回は、外から中への入口でした。今日は、中から外への出口です。

ネットワーク編の第5回でお話しした、自治体情報セキュリティクラウドと、画面転送の、すぐ外側にある話です。

守る場所の図でいうと、SWGは、端末のすぐ近くの通り道で、出口を確かめます。

これまでの出口

これまでの出口を、おさらいします。インターネット接続系の通信は、自治体情報セキュリティクラウドを通って、外に出ていきます。

LGWAN接続系の端末が、インターネットを見るときは、画面転送の環境を通ります。どちらも、決まった出口を通る形です。

守りやすい反面、通信が一か所に集まります。オンライン会議のように、すぐの反応が要る通信では、不具合が出るという声が、総務省の調査にもありました。

SWGとは

SWGは、セキュア・ウェブ・ゲートウェイです。安全なウェブの出入口、という意味です。

デジタル庁の資料では、外部へのウェブアクセスを安全に行うための、クラウド型のプロキシで、アクセス先のURLやIPアドレスから安全性を評価し、安全でなければ遮断する、と説明されています。

端末から、インターネットに出る通信が、まずSWGを通る。そこで、危ないサイトかどうかを確かめてから、先に進む。そういう形です。

SWGでできること

SWGは、庁舎の外にいても、同じルールで守れるのが特徴です。在宅でも、出張先でも、端末がインターネットに出るときは、SWGを通ります。

危険なサイトを止める。業務に関係のないサイトの種類を止める。ファイルのウイルスを調べる。こうした機能を持つ製品が多いです。

ただし、暗号化された通信の中身を調べるかどうかは、製品や設定しだいです。個人情報の扱いも含めて、団体ごとに決める必要があります。

ローカルブレイクアウト

次に、ローカルブレイクアウトです。ブレイクアウトは、抜け出す、という意味です。庁舎を経由せずに、端末から直接、クラウドに出ることです。

2023年10月の総務省の資料では、LGWAN接続系から外部のクラウドサービスに、ローカルブレイクアウトで接続するための対策を、ガイドラインで規定する必要がある、と整理されています。

これが、α'モデルです。ネットワーク編の第3回でお話ししたとおり、2024年10月のガイドライン改定で加わりました。

使い分けの考え方

では、何でも直接出せばいいのか。そうではありません。想定されているのは、ウェブ会議のように、特定のクラウドサービスです。

信頼できる宛先だけを直接つなぎ、それ以外のインターネットは、これまでどおり、出口や、SWGを通す。そうやって、使い分けるのが基本です。

どの宛先を直接つなぐのかを決めるのは、情シスの大事な仕事になります。

セキュリティクラウドとの関係

気になるのが、都道府県のセキュリティクラウドとの関係です。SWGを入れたら、セキュリティクラウドは、使わなくていいのか。

これは、団体の構成と、県との取り決めしだいで、断定できません。2026年9月の総務省の検討会では、ゼロトラストへ移行する前提に立つ場合、セキュリティクラウドのあり方も、検討の対象に含まれる、と説明されています。

いまの契約を、勝手にやめるのではなく、県の予定を聞くところから、始めてください。

現場でよくある誤解

現場でよくある誤解を、3つ挙げます。

一つ目。SWGを入れれば、セキュリティクラウドは要らない、という誤解です。構成と契約で決まるので、県に確かめます。

二つ目。ローカルブレイクアウトは、何でもインターネットに直接出していい、という誤解です。対象は、決めた宛先だけです。

三つ目。SWGなら、すべて見える、という誤解です。暗号化通信を調べるかどうか、ログを誰が見るのかで、できることが変わります。

異動してきたら最初に確かめること

では、異動してきたら、まず何を確かめればいいでしょうか。

一つ目。通信の出口の図です。どの層の通信が、どこから外に出るのか。セキュリティクラウド、画面転送、そして、直接出る通信があるのかを、書き出します。

二つ目。オンライン会議のように、重くなりやすい通信が、どの出口を通っているかです。

三つ目。サイトを止められたときの、解除の手順と、ログです。誰に頼み、どれくらいで解除されるのか。止めた記録を、後から調べられるかも、確かめます。

理解度テスト

3問です。答えを選んで、「答え合わせ」を押してください。

問1SWGの説明として、正しいものはどれですか。
問2ローカルブレイクアウトについて、正しい説明はどれですか。
問3「SWGを入れれば、都道府県のセキュリティクラウドは要らない」という考えについて、正しい対応はどれですか。

結果は、このブラウザに保存されます。成績ページで合言葉を決めると、別の端末でも続きから使えます。

セキュリティ編のほかの回